平成18年度第3回まちづくり部会 結果報告

日 時:平成18年10月18日(水)19:00〜21:00
場 所:原公民館1階大研修室
出席者:原地区26名、その他地区5名  合計31名

(はじめに)

 最初に、菅原さんから第2回の内容について、報告書を基に振り返ってもらいました。災害に強いまちづくりを進めていく上で、防災の連絡網の整備やマニュアルづくりなどが大切であることが分かりました。

 今回は、景観の法的根拠や、事例紹介など廿日市市の都市計画課の松本さま、横瀬さま、加治さまから「美しい景観をつくるための取り組みについて」と題して、講演したいただいた後、意見交換を行いました。

写真

 (松本さまからの挨拶)

 人の意識が物から心へと変化してきたことから、平成3年、広島県が「ふるさと条例」を策定し、大野地区は景観形成地区に、宮島地区は景観モデル地区にそれぞれ指定された。廿日市は平成16年大規模行為の届出地域に指定された。
国では、平成16年景観法(←資料へ)を施行し、美しい国づくり政策大綱をまとめた(国の資料参照)。このような中、大野地区は、花いっぱい運動を15年以上続けており、平成○○年、大臣表彰を受けた。最初は苗を買っていたが、今では自分たちが種から花を育てている。このような行為が生活の中の一つのシーンとして当たり前となって大野の風景をつくっていることが評価された。このように、美しい景観は日々の生活の中から生まれてくるもので原地区も頑張ってもらいたい。

(廿日市市の景観についての考え)

  • 廿日市市において、法令に基づくものではないが、景観づくりのパンフレット作っている。皆さんは見たことがないと思うので、今日、見ていただきたい(資料参照)。
  • 廿日市市は、大切にしたいもの、守りたいもの、歴史的、自然的なもので地域の固有の資源を景観のテーマとして、「市民と行政のパートナーシップによる景観づくり」を基本的な考え方としている。
  • 「廿日市市景観づくり条例」は平成14年4月施行しているが、このような基本的な考え方など精神的なものを定めている。
  • 今は、景観づくり大賞を設けるなど美しい景観を市民の皆さんに知っていただく、第1ステップの啓発段階であると考えている。
  • 今後は、地域のルールなど具体的なものができればいいと思っている。
  • 廿日市市のホームページ
    広島県環境情報サイト ←関連資料

(景観づくり大賞)

  • 地域固有の美しい景観を次世代に継承するため景観を守り、育てる気運を高めることを目的に平成14年度に「景観づくり大賞」を設けた(資料参照)。
  • 毎年実施し、桜まつりで表彰している。これまでに、阿品にある日本赤十字広島養護学校などの建築物や、吉和のひまわり畑や佐方の花いっぱい運動などの活動に対して表彰している。
  • 今年も、5回目になるが10月2日から12月15日まで募集をしているので、良いものがあれば応募してもらいたい。
  • 原地区もこのような取り組みを続けて大賞を受賞されるよう頑張ってもらいたい。

(原地区の都市計画の位置づけ)

  • 原地区は、市街化を抑制する「市街化調整区域」であるため、一般的には建物の建設や宅地の造成はできない。
  • しかし、農業従事者の住宅やそのために必要な業務施設は許可なく建設できる。
  • また、許可を受ければできる主な建物は以下のとおり。
  • 1.住む人の日常生活する上で必要な店舗等
    2.地区計画を定め、その計画の内容に適合する建物
    3.市街化区域に隣接・近接し、市街化区域と一体的な日常生活をしている地区における住宅 等々
  • 上記.3.が平成16年1月に県条例の適用により、原地区において適用になる。適用場所は、市街化区域から1km以内で、7haの区域に50戸以上の建物が50m以内に建ち並んでいる地区として、農協辺りまでの幅が4m以上の旧433号沿いが考えられる。今までに2件程度建っている。
  • このように、建物が建ってくると今までと違った風景になるので、今の内に景観のルールをつくろうと立ち上がったのが、原まちづくりの会である。(今は、原コミュニティ推進協議会の中に設置した「まちづくり部会」で検討を進めている。)
    都市計画法基づく開発行為の許可の基準に関する条例の制定について←資料

(法的根拠)

  • 景観ルールをつくっていく中で、一つの手段として都市計画法に基づく地区計画がある(広島市の資料参照)。
  • 地区計画は、敷地の規模(例えば土地は200平方メートル以上)、建物の道路や隣地からの距離(例えば1m以上)、塀の高さや材質(例えば生垣)、看板の大きさ、建物の高さ・デザイン・色、緑化など定めることができ、景観づくりにつながる。
  • 近くでは、四季が丘団地、宮園団地、陽光台団地などが地区計画を定めている。
  • 地区計画は、今までは行政がつくっていたが、都市計画法の改正により市民から提案することができるようになった(東広島市の資料参照)。
  • 市民からの提案の条件は、
  • 1.対象区域は0.5ha以上
    2.廿日市市の都市計画マスタープランの基準に合った計画であること
    3.対象区域の土地所有者の2/3以上の同意があること 等々
  • 市民からの提案を受け、行政が地区計画を定め、さらに法的拘束力のあるものとするため、地区計画の内容を建築条例化することができる。先ほどの四季が丘等は条例化している。
  • 都市計画法以外に景観づくりができる新しい法律「景観法」ができた。広島市や呉市、三次市などは、景観行政団体になっており、景観地区を指定し景観誘導できるようになっている。しかし、廿日市市は景観行政団体になっていない。来年度にはなりたいと思っている。
  • これまでも、文化財として伝統建築物保存地区の指定などあったが、景観法はもっとランクを下げて生活の中に良いものを大切にし、景観を守る市民の取り組みを法的にバックアップしようというものである。廿日市市も勉強しながら、皆さん方と一緒に原地区が良い事例になっていけるよう努力したいと思う。

(住民主体の事例)

  • 住民が主体的に関わった広島市の2地区の事例を紹介する(広島市のホームページ資料参照)。
  • 安佐北区南原地区
  • 可部バイパスが通ることになり、まちの環境が変わることがきっかけ。
  • 地区住民は、全住民へのアンケート、まちづくり構想の策定、広報誌の発行、要望を広島市へ提出した。
  • 景観ルールは建物の用途、高さ、広告物を地区計画で定めている。
  • 西区高須地区
  • 低層な住宅街に5階建てマンションの建設計画が持ち上がったのがきっかけ。
  • 地区住民は、地区計画等の勉強会を重ね、アンケートの結果、地区計画を策定する方針を立てる。その後、説明会や地権者との合意形成に努め、要望を広島市に提出した。
  • 景観ルールは建物の用途、高さ、広告物を地区計画で定めている。

(おわりに)

  • 景観とは何? 「見ることにより得られる視覚像」と定義されている。
  • 美しい景観とは、見たいものが程よい大きさで目に飛び込むもの。程よい大きさとは、手のひらを前に出して、手のひらに隠れる範囲の大きさを言う。角度で言うと、20度まで。
  • 京都の奥の院から清水の舞台を見ると、10度から20度の角度に収まって美しい景観を生み出している。
  • 見る場所も大切である。見る場所がないと、良いものも生まれない。原地区の良い所を見てもらう場所はどこかも、考えなくてはいけない。
  • 何故、景観が大切なのか? 初めて訪れる場所は、見た目など最初の印象が強く残るものである。「一目瞭然」、「百聞は一見にしかず」という言葉のとおり、汚い場所で美味しいものを食べてもいやなだけである。
  • 今後、美しい原のまちをつくるために、住民の方々と行政とが一緒になって、取り組んでいければと思う。

(質疑応答)
質  問

返  答

景観大賞を審査する景観づくり委員会のメンバーは? 町村合併により6名から10名になった。その内女性が3名。建築の設計者、大学教授、写真家、画家、陶芸家、まちづくり活動家等である。

地区計画の提案制度は2/3以上の合意が必要か ?

 2/3以上の同意は必要である。同意は内容や範囲にもよるが、権利の制限になるので十分話し合って合意形成を行う必要がある。

市街化調整区域から市街化区域に編入できるのか?

 平成16年5月に総合見直しを実施。次回は平成22〜23年頃。ただし、今までは市街化が拡大してきたが、今後人口減少等から拡大は困難。

例えば、農協の建替えは可能なのか?

 住民が生活する上で必要な施設であるので、許可は下りると思う。仮に建て替わった後、地区計画がかかった場合は、建っていることに関しては問題ないが、建替え時には適正にするか、又は、地区計画に現建物の高さまでは認める旨を明記すれば建替え時でも現高さまでは建つ。

国道433号の完成時期は ?

 県が実施している。農協から山陽道まで土地の買収は進んでいるが、財政難のため予定がたっていない。

国道ができると店舗等も建つので、早めにルールづくりが必要では?

 12m以上の道路の場合は、沿道型の適用があるので店舗も建つ可能性がある。早めの話し合いは必要。

廿日市環状線はどうなっているのか ?

 廿日市→佐伯→大野の環状線で、合併の建設計画において、県施工で行う旨明記してあるので消えたわけではない 。

(おわりに)

 グループに分かれての景観ルールづくりの話し合いは、時間の関係でできなかったが、地区計画の提案制度や他地区の事例を聞く中で、地元の意向を確認するためのアンケート調査や説明会の開催など、住民の合意を得るために粘り強く話し合っていく必要があると感じました。
 次回からは、月1回、第3水曜日の午後7時から定例会として実施することになりました。
 次回は11月15日(水)に原公民館において、午後7時から「花づくり」についての学習を行います。